ペコペコの泉

興味のあること何でも雑記

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編を観た、いち原作漫画原作ファンの感想

鬼滅の映画を観て抱いた感想のひとつが
「漫画で見たストーリーが余す所なく再現されていて、少しの違和感も無い!最高だ〜!」
という物だったのだが、家に帰って漫画を読み返したところ、"実際に描かれている情報は意外と少ないな"という気付きがあった。

でも確かに、原作漫画を読んだ時に得た情報や、ひとつひとつの展開への感動が全て、過不足なく映像になってるように感じたのだ。
今日はその事を文章に残そうと思う。


※※ここから先、映画本編の若干のネタバレが含まれます!※※

まだ観てない方は気をつけて〜!










↓↓↓









私自身は映画やアニメより先に原作を読んだ人なのだが、
一緒に観に行った彼はテレビシリーズだけ観て無限列車については何も知らない状態で映画館に向かい、二人で手に汗握ったり号泣して映画を全力で楽しみ、後日彼に原作漫画を貸した。
そこで彼がふと口にしたのが「漫画では結構あっさりしてるんだね」という素朴な感想。
確かに映画はあの長尺に、長回しで大迫力の戦闘シーンなど(本当に最高だった〜!)原作に肉付けされた形である事は確かだ。
わかる、でも何かが引っ掛かる。


多分私は、自分が初めて原作を読んだ時と全く同じ感動を味わってもらいたかったのだと思う。(いくらなんでもそれは難しいだろうに…)


では私が最初に原作を読んだ時と、その時の彼とは何が違うのか?
それは漫画という媒体の特性と、個人の"妄想力"が関係するのではなかろうか。


漫画というものはある程度、自分のタイミングで話を読み進める事ができる。

読み飛ばそうと思えば光の速さで読了する事もできるし、
逆にじっくりと、物語のコマに描かれていない部分を想像したりする事で、たった数ページのシーンを何時間でも楽しめる。

たった一コマに過去のシーンの回想が描かれた時、指は自然とページを遡ってそのシーンを探し、気が済むまで読み返している。
そうして元のコマに戻ってきた時、私の中で物語は長い回想シーンを経て新たな展開に向かうのだ。

映画を観たばかりで原作を読むような時は、"ここは映画と同じだな、ここは少し短いな"とそれぞれを比較する様な読み方をしてしまう。
それも楽しみの一つではあるけれど、それが初見で最初に漫画を読んだ時との差なのではないかと思った。


それにしても、改めて映画でのシーンの増やし方はとても良かったと思う。

例えば煉獄さんの夢の中に入りたてのシーン(列車内に現れた鬼を颯爽と倒す煉獄の兄貴ィ!が最高に格好いいあのシーン)が映画版ではかなり長くなっているが、
漫画では映画より早いタイミングで"列車の座席で眠る一行のカットが入り、夢の中の出来事だった事が分かる"というシーンに切り替わる。
しかし時系列的にはその間もその後も、煉獄さんの夢は続いているのだ。

他のシーンもあくまで"原作に無かった新しい出来事の追加"ではなく、漫画の中で描き切れなかったけど"確かに起きていた出来事"が描かれているように思える。
それが、原作の完全再現だ!と感じた理由かもしれない。

善逸が禰豆子ちゃんをおぶって軽やかに川を飛び越えるシーンも、うんうん原作にあったな〜映像もイメージ通りで最高に可愛いな♡と思いながら観ていたが、読み返したらコミックスの話と話の間のスペースにおまけとして描かれていただけだった事に超ビックリした。
(これはただ単に覚えて無さすぎ?)

戸惑ったように一度立ち止まってから泳げない事を伝える劇場版の禰豆子ちゃん、あざと可愛すぎた〜!


思うままに全然まとまりのない文章を綴ってきたけれど…
とにかく言いたいのは、原作ファンの期待を裏切るどころか何倍返しにもして超美麗な映像にしてくれた劇場版アニメは素晴らしいし、こんな素敵なお話を生み出してくれた原作漫画も神だよね、いつ読んでも最っ高だよね!

という事なのでした。

まさに夢みたいに素敵な劇場版だったけど、
原作は無限列車編の先もずっとずっと面白いから、もし全部この熱量で映像化してもらえたら……本当に嬉しいな〜!
してもらえますように!